歌うま演技うま、な人が最近多いですよね。菅田将暉さんや北村匠海さんなど、俳優だけでなく、歌手としても活躍されている方はここ数年で多くなっているように思います。
そんな私も一俳優としてそんな憧れはあります。いつか、歌も歌えてミュージカル作品で一世を風靡する、なんてことも夢として思っている一人であります。
ただ、以前書いた記事にもあるように、私は歌が下手…。それはもう…。歌を聞かせて癒すどころか、聞いた人を疲れさせるような歌声で…。自分でも嫌になるくらいです(笑)私の歌の状況はこちらにも書かせていただいておりますので良ければご覧ください。
そんな歌下手な私がボイストレーニングを重ねて早1年。最近トレーニングを続けて気づいたことがあります。
それは「歌と演技には共通点が多い」ということ。
そんな今回は、私が感じた歌と演技における共通点をご紹介します!
演技をする上で、声質に悩んでいる方、また歌が上手くなるとどうなるか気になる!という方は、参考にしていただければ光栄です。
歌と演技における、発声感覚の共通点
歌と演技の共通点としてまず初めに分かりやすかったのは、「発声方法」。演技をする上でも歌を歌う上でも、必ずと言っていいほど声を出しますが、その発声に共通点があったのです。
普段、何気なく話している声は演技においては非常に重要。というのも、演技においてリアリティを感じさせるには日常会話の声の強弱、抑揚、呼吸するタイミングなど、非常に多くの要素が詰まっています。
人にぶつかって「すいません!」というセリフも、元気のないとき、イライラしているとき、焦っているときなどで言い方やボリュームが変わるということは、思い出していただけると理解できるかと思います。私たちは普段の生活から、会話のリズムや音程を無意識に変えているのです。
そしてその時に考えてほしいことは、声を出す時に「音程を気にしたりして負担を喉に負担をかけていることは少ない」といこと。場面によりますが、普段の生活で声を出す毎に「次はレの音を出そう」とか「ゆっくり話すからこのビートで伝えよう」なんて、考えないですよね。
私が教えてもらったことにも同じようなことがあります。それは「歌は語れ」ということ。普段の生活同様、歌う時にも緊張することなく、ただ音やリズムに乗せて語るだけだということ。ま、これがちょ―――――――――(とても)難しいのですが…
そんなこと言っても歌を歌う時にはやっぱり、「この音を出さなきゃ!」と思わず力んでしまいます。そんな力んだ声を出すと、当然のことながら表現される声も力の入った声、聞いていて疲れる声になるのです。そして喉に力が入ることで音程も変わらないため、幼稚な歌声になってしまうということになります。セリフにすると、抑揚もない声なので棒読みに聞こえてしまうのでしょう。
「気持ちはあるのに相手に伝わらない!」と思う方は、声を出す時に力が入っていないかどうかに注目してみるといいかもしれませんね。
表現する前から勝負はついている?!大切なのは体の準備運動
声の硬さは喉への緊張、ということを話しましたが、じゃあどうすれば力が入りにくくなるのか、ということが気になりますよね。力が入りにくくなる状態にするには、どうすればよいか。ズバリ「準備運動」です!
え、それだけ?
そう、それだけ。
基礎の基礎だと思うかもしれませんが、体の中から筋肉をほぐし温めておくことは非常に大切なのです。これは毎回のレッスンの時、高音が出にくくなった時、歌っていて体が自由に動かなくなった時などに、「今日も十分ストレッチできてないでしょ?」と私がこっぴどく怒られていることです。やってはいるんですよ!でも、時間をかけて伸びている感覚を味わっていないから、歌う前の緊張感に負けてまた固くなっちゃうんですよね。(笑)
皆さんもスポーツをするとき、すぐ体を動かさないですよね。体育の授業でも始まった直後は準備運動から始めますよね。要はあれと同じです。筋や筋肉を傷めてけがをしないことよう、あとはパフォーマンスを高めるためにも行われています。実は、歌を歌う時も同じなのです。
スポーツをするときと歌を歌うときに使う筋肉は、違うかもしれませんが、ここにも共通したものがあるのです。
それは「インナーマッスル」。
インナーマッスルは、体の芯を保つ役割があると言われています。
インナーマッスルは身体の深層に位置しており、見た目には働いていることを確認することは難しいですが、関節の安定や内臓の安定に働き、動作時にもアウターマッスルとともに働いて、姿勢の保持や動作のサポート、内臓の正しい働きを促すために作用しています。
インナーマッスルとは | 健康長寿ネット
歌を歌う時もこのインナーマッスルを意識して使って歌っていくと、手足や喉が自由になり、リズムも取りやすく体も動かしやすいのです。
そして何より、歌うときや発声するときなんかは、腹式呼吸が大切!と言われていますが、この腹式呼吸も元をたどれば横隔膜の動き。そしてその横隔膜を動かすインナーマッスルの働きがあってこそ。発声する前には特に、横隔膜周辺、つまり胴体をじっくり伸ばす、ほぐすことで格段に発声がしやすくなるのです!
ということで「ラジオ体操第一~!よーい、はじめ!」
緊張のコントロール、表現に対抗する強敵
これまで実体験をもとに説明させていただきましたが、最後に大切なこと。それは「緊張はどうしてもなくせない」、ということ。人は何かを始めるとき、意識して行うときは必ず緊張をします。それが例えば人前での演技だった場合、歌だった場合。うまく伝わってるかな、どう思われてるかな…など、無意識のうちに承認欲求が出てしまいます。それが強敵。
じゃあ、周りのことなんて気にせず勝手気ままにやればいいのでは?と思うかもしれませんが、それはおススメできません。緊張のない人の体は、一見リラックスしていると思えますが、日常生活におけるリラックスを演技に持ってきてしまうと張りのない人に見えてしまい、見ていてもつまらなく、演技として大切なワンシーンを無駄にしてしまいます。さらにそんな人が何を話していても歌っていても、見てる側は集中して見られないですよね。
緊張してもだめ、緊張しなければ人を引き付けることは難しい。なら何が必要か、それは「緊張をコントロールする力をもつ」ということ。ね、言うのは簡単でしょ?(笑)これができていればもっと成長してるわ!って感じです。でもこれも一つ、大事なことがあります。歌うときも演技をするときも、「誰かに、何かに集中すること」。
人は何かに集中していると、その意識がほかに向くことが少なくなり、周りへの意識がなくなります。つまり、人からどう見られているか気になって緊張してしまう、よく見せたい、という緊張感は少なくなるのです。シーンでは、相手に何かをしたい、してほしいという行動を。歌では、誰かに届けたい、今の気持ちを伝えたい、という行動を通じて集中をしていきます。
歌を歌う時は歌詞を思い、相手に伝えるということを思うとよいかもしれませんね。私はまだそこまでの領域には行けておりませんが、必ず歌い方が違ってくるはず。少なくとも気持ちは変わります。
ぜひ、試してみてください。
まとめ|演技も歌もまだまだ頑張るぞ!
まだいろいろと未熟な私も、実体験で感じたことをまとめてみました。
まだまだこれから。何をするにしても続けなければ意味をなしてはきません。特に答えのない表現を仕事にしているのですから、見えない将来に向かうようなものです。ただ、誰かに、何かを伝えたい、ということに関しては必ずあるはず。
このことはずっと持ち続けていきたい、そう思う今日この頃でした。
皆さんも何か行き詰ったときは、いろんなことを試してみるといいかもしれません。もしかすると、求めていた答えはその中に隠されているかもしれません。
この記事も、皆さんの何かにつながるヒントになれればうれしいな…。ではまたお会いしましょう!
コメント