最近では何かしらと話題の投資話。貯金がてらに、老後の資金のために、生活費の足しにするために…。中にはこれだけで生活する方もいらっしゃるように、稼げる人は稼いでしまうのが、投資のお話。
しかし、そんな中出てくる社会現象それは”投資詐欺”。巧みに言葉を話し、疑っている人をも味方につけ、人をだまし奪うその技には、非常に賛同しがたいものがあります。
そんな投資詐欺にかかってしまった男の現状と体験談をご紹介。これからの知識として、あるいは友人へのストッパーとして、知ってもらえると嬉しいです。
社会現象、仮想通貨の投資詐欺
よく、「だます方も悪いが、だまされる方も悪い」などという言葉があるように、事前に良く調べたり、誰かに相談したりすることができない方がターゲットとして狙われるケースも多いのだとか。
また、親しい友人や先輩、後輩に誘われ被害にあってしまう方がおり、人の信頼関係や義理を利用した商売のため、実際に被害にあった方はその被害後の生活も人に頼ることができず、路頭に迷ってしまうケースも。SNSなどで、実際に合うことがない機会が多い現代では、どこにいても誰にでもつながれるという利点の裏をかき、その被害も年々拡大しているようです。
そして今は”仮想通貨”が人気のようです。誰しも”億り人(おくりびと)”になれると言われているほど、億を稼げてしまう投資ビジネスの一つです。そんな仮想通貨は文字通り、目に見えない通貨。金銭的な実物がない分、詐欺まがいだと、発表当初は物議をかもしておりましたね。そんな仮想通貨を利用した詐欺が、最近急上昇しているとのことです。
今回は、こういった人が二度と増えることのないように、私の体験談を元に一人でも多くの方が無駄な被害にあうことのないように、またその被害をあたかも自分の利益のようにふるまう病原菌を死滅できるよう、備忘録として紹介いたします。
悩み悩まされ金足りず…
「積み立て投資をしてみませんか?」
スマホを片手に駅前で待ち合わせをしていた私に、そんな話をかけてきた見知らぬ人がいました。
「失礼ですが、今はおいくつですか?20代のようにみえますが、将来、年金の受給が減ってしまい、定年しても働かなければならないということはご存じですか?!先が分からないと不安ですよね。老体になったとき、働く方がけがをしやすいし、そうなってくると保険なども心配ですよね。今、お時間ございましたらおススメの・・・」
そんな言葉をイヤホン越しで聞きながら、結局、投資したとてその金額が将来倍になって返ってくる保証もないくせに、と半ば腹を立てながら愛想笑いで「結構です」の一言を言うことで後の言葉はシャットダウン。少々、ばつが悪かったかなと、何もしていないが罪悪感さいなまれていた私ですが、この時はまだ、そんな投資をやってやろうなんて思ってもいませんでした。
その数か月後、いつものようにアルバイトをしていた時にふと「このバイト時間で稽古することができればな…」と考え始めてしまい、それからというものの時間を消費して給料をいただくというやり方は、将来的には減らしていかなければと考えるようになりました。
それから数日後、久しぶりに更新したSNSに誰やらDM(ダイレクトメッセージ)が送られてきました。まだまだSNSには疎く、初心者の私はそのDMを送った人(仮にAさんとします)のメッセージ内容に目を通してしまいました。
今思えば、これがあの悲劇の始まりだったなんて、思いも知りませんでした。まさか、自分が被害にあうとは…
奇跡の出会い?!
「初めまして!突然の連絡失礼いたします。私は今、スポーツトレーナーをしているAと申します。今回、「私」さんの投稿を拝見させていただきまして、同じ境遇だ!と思いまして、何かお手伝いできることがあればと連絡させていただきました。もちろん、もしご興味なければ無視していただいて問題ございません!実は私、現在独立のために協力してくれるビジネスパートナーさんを探しておりまして、もしよろしければお話させていただけないでしょうか。…」
こんな内容が送られてきました。
「いやいや、これ絶対アウトでしょ」そう思ったそこのあなた!
正解です。
普通に考えておかしいですよね。いくらSNSで人の顔を見られるとしても、だからと言ってビジネスパートナーになりませんか?って…。てか「こいつは狙える!」とか勝手に思われてる時点で腹立たしくなりますが…。
何はともあれ、当時の私は何か画期的な仕事がないかといろいろと探していたころでしたので、何かの参考程度に聞いてやろうと、なぜかこちら側が利用してやると意気込んでしまったのです。
(つくづく思いますが、相手を利用しよう、なんて腹黒いこと考えてるからこんなことになるんでしょうね。皆さんは気を付けてくださいね。何事もギブアンドテイクの理論だけでいくと、どこかでしっぺ返しを食らいます。これは私の人生論ですが…。)
そしてそれからというもの、数回DMにてやり取りをしていると、Aさんについていろいろと知ることができました。
現在24歳のAさん(男性)。スポーツトレーナーということで、学生時代は体育会系の部活をしており、スポーツで有名なN大学を卒業し、トレーナーの道へ。売り上げと自分への給料の違いに疑問を思い、スキルを磨いたらいち早く独立したいと考えていること。今は、同じ境遇の仲間数人で勉強をしているところで、独立する資金をどのように確保すればいいかを相談させてくれる先輩と一緒に頑張っている、という話。
その他にも趣味は何だ、とか、住まいはどこだ、とか、そんな話をするうちに「ちょっと会って話してみますか」なんて私から伝えてしまうという意気投合っぷり。皆さん、単に私がだまされやすい人間だと思うでしょうが、休みの日にも遊びに誘える友人が近くにいない今の状況を考えると、心の寂しさって見えないうちに人を探してしまうんです。って、ただの寂しがり屋の言い分ですが(笑)
そして、実際に会う日時、場所を決め、いよいよその当日になりました。
何の変哲もない、ただの好青年じゃん。
某有名喫茶店S・Bに向かった私は、非常に心臓がどんよりしていました。
「なんか悪いことしてるみたい…。」
そう。幼いころから田舎暮らしの私は、SNSやアプリで人と会うということ自体が犯罪だといわんばかりの勢いで、SNSでは自分を出すことを嫌っていた私ではありますが、実際、将来の生き方にかかわるこの重要な問題は、多少のリスクを冒しても行くべきだと判断して向かったわけです。待ち合わせ場所も人通りの多い、昼間のカフェなのでそこも安心要素になりましたが、まずはバクバクする心臓を抑えて向かいました。
いわれた場所に向かった時、
「あ、こんにちは!どうも、Aです!よろしくお願いします!」
はい採用!って思うくらい、元気のある青年がそこに立っていました。
そんなあふれんばかりのエネルギーに圧倒された私は、取り合えず挨拶を返し、ほっと胸をなでおろしました。てっきり、「で、こちらはその言っていた先輩です。こっちは友人です。」なんて、多勢に無勢戦法で来られるかと思ってましたが、この時はマンツーマンでした。まあ、それはそれで会話に困ってしまう私にとっては地獄ですが…。
何はともあれそれから数分間、また身の上話をして、大体人柄を知ったところで本題に入りしました。
ここで、トレーナーとしての毎日と、やりたいビジネス像を話されましたが、このビジネス像では「時間を割かずにできる仕事」というキーワードを立てているだけで具体性はないようでした。ってなると、やはりそこを聞きますよね。
「あの、そのやりたい仕事って、何か決めているんですか?」
するとAさんは「今はまだ…ですが、先輩がその話をしていて、今度そのセミナーがあるので良ければ一緒に行きませんか?」
これは罠だっ!はいそう思った皆さん、正解です。普通に考えて説明できないものを提示されている段階で、教えてくれない段階でアウトと思った方がいいでしょうに、こともあろうが私は、新しい友人のような感覚に浸ってしまい、また悪い発想に至ってしまったのです。
(ま、無料だし、なんかのきっかけになればいいかな?とりあえずこの人もいることだし、行ってみるかな)
今考えるだけでも危ない発想。行った先が極道だったらどうすんじゃわれぇ!状態です。いや、ほんとに。皆さんは本当にお気を付けくださいね。
それから、そのセミナーが明後日にあるとのことで、時間と場所を聞き、その日を待ちました…。
次回|謎めく集団とアイコニックな彼
いかがでしょうか。これを読んでいただければわかるように、やはりSNS上で知らない誰かから連絡が来たり、また連絡をしたりすることは、かなりリスクが大きいものです。その危険性が逆に楽しい、という方は別として、やはり知らない誰かからのDMには反応しないのが鉄則。もし気になる内容であれば、必ず複数人に見てもらいアドバイスをもらうのが吉です。
次回は、実際に向かったセミナーの話とそれから発生したビジネスの話をしていきたいと思います。なぜ、こんなにも怪しい誘いに乗ってしまったのか、そして、それを信じてしまったのか。私は何をしていて、何を思っていたのか…。
もし、この記事に何か感じた方がもしいらっしゃいましたら、いいねやご友人などへ共有いただければ幸いです。被害にあった後の生活は、どこにもぶつけることのないストレスを日々、ふとした瞬間に思い出してしまいます。快適に過ごしたいと思っていた時を考えると180度逆方向…。
まだ被害にあわれていない方には、こんな経験をしてほしくはありません。お金の問題は、人を一番惑わすものですから。何かを決めるときには立ち止まってください。世界は広いです。無条件であなたを救ってくれる人もきっといる。私はそんな存在になりたい、そう思います。
もし今、こういった話があった場合は、すぐにでもお住いの役所に相談に向かってください。一見、「聞き作業のように対応されるだけでは」と思うかもしれません。ですが、行ってみなければわからなかったこともあります。しっかりと人を思う心を持った相談員の方もいらっしゃいます。一人で悩まず、まずは相談してみてくださいね。
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