皆さんこんにちは。最近、徐々に涼しくなってきて、そろそろ秋かな~なんて考えながら窓の外のセミを眺めている私です。
秋といえば、スポーツ!実は私、最近は合気道に興味を持ち始め、友人に無理を言いつつやり方を少し教えてもらいました。
実際にやってみるとかなり深い。人って力があればなんとかなるとか思ってましたが、力といってもどこの力を使うのかで、威力が天と地ほど、月とすっぽんほど変わってくることを、皆さんはご存じでしょうか?
今回はそんな驚くべき合気道に触れつつ、私が教わったことをご紹介いたします。
相手への敬意を表そう
友人に色々お話を聞く私ですが、その指導は道場に入る前に既に始まっていました。それは『挨拶』。これはどんな武道、またはスポーツでも大切なことです。
入り口で挨拶、道場で挨拶、そしてすれ違う方々へ挨拶。これでもか、というくらい挨拶を行います。今からお世話になるもの、人へ「宜しくお願いします」という気持ちを込めて、どんなに偉い人でも行うその姿は非常に心の美しさが伝わりました。
一流の人ほど、この挨拶を忘れない。自分の強さを誇示するのではなく、人として礼儀を重んじるその謙虚さからも、強者の風格というものが感じられますね。力の強さだけでなく、心の強さ、優しさもしっかり学ぶことができます。
合気道の受け身は受け止めない!
各所に挨拶を終えた私は、まずは胴着に着替え道場へ集合しました。まずは柔軟。手首足首、アキレス腱、股関節などありとあらゆる筋を伸ばしていきます。
そしていよいよ稽古がスタート。まずは受け身の練習からでした。もともと柔道などをされている方はだいたい分かるかと思いますが、投げられた際などに起こる衝撃を逃がすトレーニングが受け身のようです。
ただ合気道の場合は少し違うそうで、衝撃を逃がすだけではなく、その衝撃の力を生かして次の動作に繋げることを考えて行う動作を意識しているそう。
ちなみに、「自分が教えることに関しては、人それぞれに違う意識があるから。あくまでも参考程度に覚えてて。」という友人です。聞くと、友人は師範レベルの腕を持っているというのに、謙虚なことです。
倒せない友人と投げ飛ばされる私
受け身もほどよく教えてもらい、次にようやく「型」となる動作を教えてもらいました。(受け身のやり方とか型の動作とかの詳細は門外不出。というか言葉で説明する力がないので、ここではあまり書きません。合気道の先生に習いましょう!)
まずはよくある、相手に手首を掴まれた状態で、それをほどく稽古。お手本として友人の手首をがっちりつかみましたが、あっという間にほどかれてしまいました。
何度やっても同じ。友人が動いたときにはもう掴んだ腕はほどけ、いつの間にか真横に立たれている。ムカつくのでほどかれた瞬間に掴みかかりましたが、逆に足元に押さえ込まれる始末…一瞬過ぎて訳が分かりませんでした。
その後も、投げ飛ばされること、刀を振る稽古など、様々なことを見せられ、見よう見まねでやること3時間。それでも友人が手を掴んできたときや、投げ飛ばそうとしたときは力ずくで動いてしまい、全く相手を思うように倒せませんでした。
相手を倒さない武道、それが合気道
思うようにいかない私は友人に「もう一回見せて!」と頼み、どうにか自分なりに体験して要領を得ようとしました。ですが、友人に飛び掛かろうとするも、軽々しくほどかれる私は、そのこだわりもなくなり、「そろそろ教えてくれ」と自分で勝手につけていたプライドを折ることにしました。
そして友人から、稽古を行う上での大切な意識、と言うものを教えてくれました。詳しくは書けませんが、意識することは「相手を倒すことではなく、自分がどこに向かうか」とのこと。
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これだけだと全く訳が分かりませんよね。もう少し細かく説明しますね。
自分の力は使わない
まずは相手に手を掴まれた時、人は「ヤバい」と思って全身に力が入り身動きをするにも力ずくで動かしてしまいます。でもこれだと、全身の力が相手の力に勝らなければ勝ち目はありません。力で倒そうとするだけ無駄なのです。
ではどうするか。それは、人の関節を考えれば良いのです。人は自分の体に負荷がかかると、自然とそれをかばう、もしくは回避しようとしますよね。
例えば相手から、横に広げた自分の腕全体を背面に押されたとき、どうすれば体に負担なく対処することができるでしょうか。相手を押し返す?それとも腕を自分の体に引き寄せる?どれも自分の力で、相手の力に負けないように動くので、相手がゴリゴリのマッチョだったときにはもう、腕の1本を犠牲にする覚悟がなければ難しいですよね。
相手がどんな力を持とうが、一番楽に回避できる方法。それは、押し返すのではなく、押された方向に回転すること。シンプルで、何より楽ですよね。
そうなのです。合気道は相手の力を単に流すだけではなく、その力をも使って受け流すことで、どんな相手でも疲れることなく対処することができるのです。
力の方向を決めてあげる
そしてさらに大事なことがあります。それは受け流す先の方向を決めてあげること。
先ほどは相手の力を受け流す、ということを伝えましたが、ではその受け流す力はどこにどうすれば良いの?という疑問が生まれますよね。そこでこの「力の方向を決めてあげる」ということが大事なのです。
これは例えば、先ほど腕全体を押されるシチュエーションを考えたときに、腕を押されている方向に回転すれば良いとお伝えしました。この場合、回転しただけでは相手の力は流せても、相手の行動を遮ることはできません。回転した体に向かってタックルされても意味ないですよね。
そこでこの「力の方向を決めてあげること」が生きてきます。回転する力は、相手の力を使っているため自分で回るよりはるかに大きな力になっています。その力を今度は、自分の足元に流してみるとどうでしょうか。そう、まるで回転した時に足元にお金が落ちていて、それを拾おうとするように、自然に行います。
すると、力の方向が地面に向かい、相手もその方向に進まざるを得ないのです。そして気づけば相手は地面に倒れ込み、自分はそんな相手を上から眺めている、こんな絵が出来上がります。
ふざけているように思いますが、意外とこれで相手が倒れるのです。面白いでしょ?友人も言っていました。
「合気道やってるけど、基本的に自分が進みたい方向に向いたときに相手が勝手に倒れてるから、『何してるんですか?』って感じで、驚いちゃうんだよね。笑」
自分でやっておきながら驚くとは腹立たしいですが、実際にやってみたとき、私自身もその感覚に驚いてしまいました。「え、こけたの?」みたいな感覚です。むしろ相手に「大丈夫ですか?」と声をかけたくなるくらいあっさりと倒れてるので面白いですよね。
体の軸は腰(丹田)から
そんなこんなで、少しずつコツを掴み始めた時、友人からあることを伝えられました。
「体に力入ってるよ~手足には力使わないからね~」
そうなのです。出来てると思っていた私ですが、相手がマッチョの人を相手にする時は、思うようにいかず反発されていたのです。そんなときにこの言葉を伝えられ、その認識の違いを聞きました。
聞けば友人は、基本的に全身の力を抜いてただ歩くだけ、ただしゃがむだけをしているんだそう。自分の力を使わないことで、より相手の力を受け取ることができるからとのこと。そして何より、腕や足は力を使う場所ではないと言っており、最低限の動きで十分なんだとか。
じゃあどこを使うの?と聞くと一言「腰だよ、腰。」。そうなのです。農作業とかしているときに良く言われている「腰が入ってない!」というあれです。
腰を使わずに物を動かそうとすると、必要以上に腕や足に負担がかかるように、合気道でも動かす場所が手足が先になってしまうと思うように力が伝わらず、負担をかけてしまうのです。
受け流すときも腰を90°角度を変えるだけ。回転するときも腰を軸に回るだけ。これだけで、あっという間にマッチョマンを倒すことができたのです。何て楽しい時間でしょう!
人間の力って、本当に不思議ですね…
合気道はいろんなものとの企画もあるので、見て楽しみながら勉強もできますよ!
まとめ|合気道は相手がいればこそ
稽古の最後には、マッチョマンが勝手に倒れていくというとても楽しい時間を過ごしていました。あれだけ投げられなかった人を振り回せるようになるって、とても楽しいですね。
ですが、そんな心を見透かしたのか、近づいてきた友人にちょっかいを出した私は、その後ぼこぼこに投げ飛ばされ、心を洗わされました…
今回の稽古で、合気道は相手がいればこそ成り立つもの、そして何より相手の力を使うということは相手を理解して動かなければならないということに気づきました。
合気道は、相手を良く観察し受けとめ、そして違和感のないように流してあげるという、とても相手に寄り添った優しさの強い武道でした。
相手を倒す力ではなく、相手の力を使って力を受け流す。またひとつ勉強になりました。
意外と体験などもできる教室もあったりするので、皆さんも興味があれば是非体験してみてくださいね!
体験参考URL:東京都の「#合気道」の教室・ワークショップ一覧 | 趣味なび
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